4・25「保険証を残そう!」署名提出集会でのごあいさつ

正午から、衆議院第一議員会館・大会議室で開催された表記の集会(主催 医団連・中央社保協・マイナ連絡会)で、以下のご挨拶をしました。 1 はじめに 私は、福岡県弁護士会情報問題対策委員会委員長として、プライバシーや個人情報の保護の活動に携わって…

「日本のデジタル社会と法規制-プライバシーと民主主義を守るために-」の出版

2022年の日弁連人権擁護大会「デジタル社会の光と陰-便利さに隠されたプライバシー・民主主義の危機-」の報告書と、現場で行われた研究者、ジャーナリスト、もと政策担当者を招いて行われたパネルディスカッションを収録した本が出版されました。 デジ…

医療情報のデータベース化とプライバシーの危機 ③

けんりほうnews 277号(2023.10.20発行)に掲載されました。 (なお、本稿は、筆者が「月刊保団連 1389号 2023.2」に投稿した文章をもとに加筆して再構成したものです。これが最後です。) 1 海外の医療データベース事情 202…

医療情報のデータベース化とプライバシーの危機②

けんりほうnews 276号(2023.7.20発行)に掲載されました。 (なお、本稿は、筆者が「月刊保団連 1389号 2023.2」に投稿した文章をもとに加筆して再構成したものです。あと1回の投稿が予定されています。) 1 PHR・EHRで…

医療情報のデータベース化とプライバシーの危機 ①

けんりほうnews 275号(2023.5.20発行)に掲載されました。 (なお、本稿は、筆者が「月刊保団連 1389号 2023.2」に投稿した文章をもとに加筆して再構成したものです。あと1,2回の投稿が予定されています。) 1 医療情報のデ…

救援新聞「監視・管理社会を考える」②顔認証カメラ

本日発行の救援新聞で、表記の記事が掲載されました。 私は日弁連情報問題対策委員会で監視カメラのプライシー侵害の問題点を担当しています。まず、監視カメラと比較して顔認証カメラは何が違うのか、お話します。 高い精度で顔認証個人を特定 顔認証は、① …

医療情報の結合とプライバシーの危機

2023年2月1日発行の月間保団連に、依頼を受けて投稿しました。 (サマリー) 「医療情報は、プライバシー保護のため分散管理が原則である。医療情報の結合には、それを許容する個別の法律と、結合の必要性と相当性(プライバシー侵害の程度を超えない…

プライバシー侵害と個人情報保護法適合性との関係

人権大会基調報告書で分担した部分の一部として、近年誤解が多い、「個人情報保護法を遵守していたら、個人情報の利活用はどのようにしても適法である」という考え方が誤っていることについて、以下の通り記載しています。 https://www.nichibenren.or.jp/do…

デジタル社会において人間の自律性と民主主義を守るため、自己情報コントロール権を確保したデジタル社会の制度設計を求める決議

2022年9月30日に旭川市民文化会館で開催された第64回日本弁護士連合会人権擁護大会で、第2分科会による表記決議案が全員一致で承認されました。 https://www.nichibenren.or.jp/document/civil_liberties/year/2022/2022_2.html 当連合会は、20…

「デジタル社会の光と陰~便利さに隠されたプライバシー・民主主義の危機~」基調報告書

日弁連ホームページに、本年の人権擁護大会シンポジウムの基調報告書がアップロードされました。 https://www.nichibenren.or.jp/document/symposium/jinken_taikai.html 全体の監修を行いましたが、担当した部分の一部を引用します。 (以下、pⅰ~ⅴ) 本基…

ハンセン病で本来必要だった政策転換と新型コロナ対策

新型コロナウイルスの感染症法における位置づけについて、「2類か5類かはたいした問題ではない」という主張をときどきみかける。その多くは、医療専門家の意見を伝達する形である。 本当にそうか。過去の公衆衛生政策の過ちをきちんとふりかえったものだろ…

アメリカで濃厚接触者の隔離撤廃。日本は?

2022年8月13日の日経新聞朝刊によると、アメリカ疾病対策センター(CDC)は、11日、濃厚接触者の隔離基準を撤廃した。5日間の隔離を求めていたワクチン未接種者も、隔離は不要になる。 政策変更の理由は、ジョンズ・ホプキンス大学のデータによ…

病床逼迫の原因

2022年8月4日の日経新聞朝刊では、病床逼迫の原因について、医療従事者のうち、濃厚接触者が相当増加し、欠勤を強いられるためであると報じている。福岡大学病院も2病棟が閉鎖された。 その中でも、千葉大医学部付属病院は、毎日の抗原検査で陰性であ…

「ただの風邪になった」と伝わらない謎

2022年8月3日の毎日新聞朝刊によると、日本感染症学会など4学会は、2日、症状が軽く、重症化リスクが低ければ、「薬や検査のために慌てて受診することはない」と呼びかけたという。他方、経済再生担当相は、お盆で帰省する人の新型コロナウイルス対…

スマホとマイナカード

「スマホとマイナカード」という表題で、しんぶん赤旗の5月5日、6日の朝刊に記者のインタビュー記事が掲載されました。 インタビュー部分のみ、掲載します。 -プライバシーの侵害が心配です。 いま、世界中でスマホとパソコンが利用され、GAFA(ガー…

列車内の「防犯カメラ」設置を義務化することに反対する会長声明

本日、日弁連で、表記の会長声明が出されました。 https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2022/220322.html 国土交通省は、2021年12月、京王線車内で同年10月に起こった刺傷放火事件の再発防止策として、鉄道会社が新たに導入する…

鉄道事業者における顔認証システムの利用中止を求める会長声明

下記日弁連会長声明が発出されました。 https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2021/211125.html 報道(本年9月21日付け読売新聞)によると、JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)は、本年7月から、顔認証システムを利用して、①過去に…

「行政及び民間等で利用される顔認証システムに対する法的規制に関する意見書」について

日本弁護士連合会は、表記の意見書を本年9月16日に承認し、翌日関係機関に発送しました。https://www.nichibenren.or.jp/document/opinion/year/2021/210916.html 日弁連は、2012年1月19日に「監視カメラに関する法的規制に関する意見書」で監視カメ…

除斥期間の適用を限定し、司法の役割を果たした最高裁判決-B型肝炎九州訴訟判決

「青年法律家」no604(2021.6.25)に掲載されました。巻頭に掲載していただきました。1 はじめに 2021年4月26日、最高裁第2小法廷(三浦守裁判長)は、国の予防接種にもとづきB型肝炎ウイルスに感染した被害者のうち、慢性肝炎発症…

マイナンバーカードの義務化とデジタル関連法案に反対する会長声明

本日、福岡県弁護士会で下記声明が発出されました。 デジタル関連法案は、その膨大な量と参照のしにくさから、全体像を把握できている人は日本中にごくわずかしかいないのではないかと思われます。これまでの制度を全部ガラガラポンで一から作り替えるような…

B型肝炎九州訴訟最高裁判決

本日15:00から、最高裁第2小法廷で、慢性肝炎を再発した被害者に対し、最初の慢性肝炎発症時を除斥期間の起算点としてその請求を棄却した原審福岡高裁判決を取消し、差し戻す逆転勝訴判決が出されました。以下、弁護団の声明です。 令和3(2021)…

B型肝炎九州訴訟最高裁弁論

本日14:00から、最高裁判所第2小法廷で、B型肝炎九州訴訟の口頭弁論期日が開かれました。 上告人の平野裕之さんと、弁護団5名が、下記のテーマでそれぞれ意見を述べました。 上告人平野裕之さん:被害者の思い栁優香弁護士:被害者の思い(上告人B…

雑誌「世界」4月号「実装される監視社会化ツール」

福岡市内では、本日店頭に並んだ雑誌「世界」4月号に、表題の文章が掲載されました。表題は、出版社から提示されたお題です。 以下の見出しで、マイナンバーカードの義務化と顔認証の日常化への懸念を書いています。 1 権利から義務への逆走-マイナンバー…

B型肝炎九州訴訟上告受理の理由について

本年2月10日に、集団予防接種の際の注射器の連続使用によるB型肝炎ウイルス感染被害者のうち、慢性肝炎の最初の発症からは20年以上経過して提訴したものの、慢性肝炎発症後鎮静化し、その後再発した被害者について、除斥期間の起算点を再発時とするよ…

監視社会化とマイナンバー制度

月刊自治研より依頼を受け、原稿を書きました。 10月号に掲載されました。 監視社会化とマイナンバー制度 1 マイナンバーカードと顔認証データ (1) カードに一体化させられた顔認証データ マイナンバー制度のもとで、国民の利便性に資するといううたい文…

福岡市が街頭監視カメラを設置しないよう求める声明

3月6日に、福岡県弁護士会は、下記会長声明を公表しました。 千葉県市川市と同じようなことを、条例すら作らずに設置しようとしています。 https://www.fben.jp/suggest/archives/2020/03/post_378.html 福岡市は、2020年(令和2年)度一般会計予算案…

「歯科の感染対策」を考えるシンポジウムにご参加下さい。

「患者の権利法をつくる会」の発行する「けんりほうnews vol.261」に、下記原稿を投稿しました。 1 シンポジウムのご案内 2019年10月26日14:00~17:00,四谷主婦会館プラザエフ7階カトレアで、「歯科の感染対策」を考えるシンポジウ…

大垣事件「もの言う」自由を守る会3周年総会での講演

2019年6月2日、岐阜県大垣市で、大垣事件に関する講演をしました。 以下のような要旨でした。 監視社会と大垣事件1 監視社会の現状 現在の監視カメラは、一定程度以上の画素数で録画されると、人の顔を指紋のように分析して、通りかかった人がどこの…

B型肝炎訴訟で、除斥期間に関する逆転不当判決

2019年4月15日に、福岡高裁で、一審勝訴(2017.12.11。ブログでも報告しています)の、慢性肝炎被害者で、国から除斥期間の適用を主張されている被害者2名に対する逆転敗訴の不当判決が出されました。 2018.10.15の高裁の第2回…

顔認証システムに対する法規制について(情報問題ニュース)

日弁連が発行し、全国の弁護士に配布されている月刊誌「自由と正義」に同報される「日弁連委員会ニュース」の中で、情報問題対策委員会が担当する「情報問題ニュース」に、2019年4月号の記事として、「顔認証システムに対する法規制について」が掲載さ…