個人情報保護法改定案審議入り

 しんぶん赤旗で、「焦点・論点」というコーナーで、「『AIのためなら同意不要』でいいの? 知らぬ間に広がる個人情報収集に警鐘」という表題で、記者の質問に対する回答の形で、取材された記事が掲載されました。

  • 法案で、国民の情報がどう扱われてしまうのでしょうか。

 この法案は、民間企業による機微な要配慮個人情報(別項)の取得や第三者提供を緩和し、一部で本人同意が不要になります。

欧州連合(EU)のGDPR(一般データ保護規則)をはじめ、多くの民主主義国家では、プライバシー保護を目的とする法律で個人情報の利用を制限し、第三者機関に強い権限を与え、裁判外で、ネットの書き込みの削除請求を認めるなど積極的な活動でプライバシー保護に尽力しています。

日本の個人情報保護法は、個人情報の利活用に配慮した上で保護を図る立て付けなので、プライバシー保護が十分機能していません。

 欧州では、2023年に巨大IT企業であるフェイスブック(現メタ)が、膨大な利用者データを不正に米国に転送していたとして、GDPRに基づき、アイルランド当局から約12億ユーロ(約2000億円)の課徴金を科されました。今法案で課徴金が導入されましたが、金額は限定されて低く、大規模事案のみが対象で、抑止力は不十分です。

 しかも、被害者救済のための「団体訴訟制度」が見送られました。

 デジタル被害は、大量漏えいを典型として、広く薄い被害が生じるので、個人で請求すると費用倒れになりがちです。集団での解決制度を設けないと、事実上泣き寝入りを強いられて問題です。消費者団体が代わって企業を訴える仕組みが必要です。

 ところが、経団連や日本IT団体連盟など財界が強く反対し、同制度は導入されませんでした。

 世界の人権保障の流れに完全に逆行しています。

  • AI開発を名目に、本人同意なしで要配慮個人情報を流通させることには、どんな危険があるでしょう。

 AIは、個人のパソコンやスマートフォンを使った購買履歴やインターネットでの検索履歴、どんなサイトを見たか、どんな動画を見たかなど情報を集約し、それを元にその人の趣味嗜好、人種、性別や健康状態、信用力、政治的思想、性格、弱点など、あらゆる特徴を自動分析し、結果に応じた特定の広告や情報を個別に送りつけることができます。

 大量の情報から、その個人の特徴を解析することを「プロファイリング」といい、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック=現メタ、アマゾン)などのプラットフォーマー(SNSや動画配信などのサービスを提供する巨大IT企業)はこれで効率のよい広告を行い、莫大な利益を上げています。

 例えば、ネット通販で「あなたへのおすすめ」が表示されるのも「プロファイリング」によるものです。労働組合への加入や宗教、思想、性生活や性的嗜好などを推測し、犯罪に関与しそうな傾向を数値化して、実際に罪を犯さなくても規定値を超えれば「犯罪者予備軍」として扱うこともできます。

 さらには、AIが「この人は陰謀論を信じやすいタイプだ」と判断した集団をピックアップして、選挙期間中に特定の考え方に誘導し、主権者の判断や行動さえ変えることができます。 

このような、プロファイリングの政治活動への応用を、「マイクロターゲティング」と呼びます。

人は、最初は「変わった意見だな」と思っても、「この動画を見た人はこんな動画を見ています」とお勧めされ、立派な身なりの人が代わる代わる聞いたことのない同じ意見を述べるのを見ると、「信頼できる」と思いがちです。特に信じやすい層を狙い撃ちにして、世論誘導することもできます。

 実際、16年の米大統領選では、英国の選挙コンサルタント会社ケンブリッジ・アナリティカ(現在は解散)が、フェイスブックの8700万人の個人情報を不正取得し、解析して世論操作のために活用しました。閲覧履歴やSNS投稿など膨大なデータをもとに人々を細かく分類し、属性ごとに異なるプロパガンダの切り抜き動画をAIが自動的に送りつけ、トランプ支持の行動に立ち上がらせ、第1次トランプ政権の誕生につながりました。また、イギリスのEU離脱を巡る国民投票では、マイクロターゲティングが離脱派の投票行動に影響し、勝利に大きく寄与しました。

 近年、日本でも、収益目的と疑われるユーチューバー(自作動画をユーチューブ投稿して発信する動画投稿者)が大量の切り抜き動画や根拠の不明な情報をSNSで拡散し、特定の投票行動を促す情報発信が行われています。25年の参院選では排外的な言説も広がりました。

 その結果、民主主義や自己決定が損なわれる危険があります。法案はこうした解析やマイクロターゲティングを目的として活用する事業者が機微な個人情報を収集することも、解析・活用の過程を不問に付した上で「統計目的」として認めるもので、大問題です。

  • すでに共謀罪や特定秘密保護法がある中、「スパイ防止法」や顔認証データと組み合わされれば、国民監視が強まる恐れがありますが。

 法案を説明する個人情報保護委員会の資料では「顔の特徴データも事業者が取得可能」と誤解されかねない表現があります。

 顔認証はAIにより指紋以上に本人を正確に特定でき、無断で利用することはプライバシー侵害となります。監視カメラと組み合わせれば人の行動を常時追跡できてしまいます。

 20年にJR東日本が都内の駅で顔認証カメラを使い、刑務所出所者を追跡していたことが判明しました。

個人情報保護委員会は、世論の厳しい批判を浴びたため検討会を開き、23年3月に「個人情報保護法適合の他に、肖像権・プライバシー侵害で不法行為が成立しないかの検討も必要」と報告書をまとめました。しかし、日弁連が求める規制立法もいまだになく、むしろ不法行為を促進しかねません。差別やレッテル貼り、国民監視や弾圧につながる危険が高く、監視社会を加速させかねません。

  • 市民はどう向き合えばよいのでしょうか。

 法案の問題点を若い世代も含めて広く共有し、規制を強める方向で抜本改正する必要があると思います。

 そのためには、市民の関心を引くショート動画などを活用し、分かりやすく伝える工夫が求められます。

B型肝炎訴訟、基本合意書(その3)の締結

 

 

2026年1月15日、福岡高等裁判所で、全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団と国との間で慢性肝炎の除斥期間に関する、基本合意書を一部修正する合意である基本合意書(その3)を締結し、これに基づいて、福岡高等裁判所に係属していた7名の控訴人ら(再発型6名、再々発型1名)についての和解が成立しました。

 声明は以下の通りです。

 

1 本日、福岡高等裁判所(民事第2部)で、国との間で、集団予防接種における注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスに感染し、慢性肝炎を発症し、鎮静化した後に再発し、あるいは再発を繰り返した原告らに対し、除斥期間(旧民法724条後段)の起算点を再発時、あるいは再々発時に繰り下げることに関する基本合意書その3が成立した。

  本基本合意書は、2021年4月26日に出された最高裁判決で、再発事案に対して除斥期間の起算点を最初の慢性肝炎の発症時ではなく再発時に繰り下げることを認めた点についての基準を定めるとともに、同最高裁判決の補足意見で、再発事案以外の事例を含めた「迅速かつ全体的な解決を図る」ことを国の責務としたことを受け、裁判所の仲介の下で継続された協議の成果である。

   既に最高裁判決から4年半が経過し、迅速な解決は得られなかったものの、再々発時に関し、過去に除斥期間の起算点の繰り下げが認められた判決が存在しないにもかかわらず、一定の場合には繰り下げることが認められたことは画期的である。

2 再発事案で除斥の指摘を受けている原告は未和解原告(2025年9月末日集計)の中でも123名、再々発型の原告は35名いる。特に、再々発型の被害者においては、最初の慢性肝炎の発症が30年以上前でカルテが存在しないものも多数存在する。本基本合意書は、カルテが存在しない場合の被害の推認事項等を定めているが、本当に被害者救済に資するためには、その柔軟な運用も欠かせない。国は加害者として誠実に自らの加害責任に向き合い、提出し得ない資料要求に固執することなく、提出された資料に基づく柔軟な被害認定を行って自らの責任を果たすべきである。

3 B型肝炎ウイルス感染被害の原因となった集団予防接種等は、昭和23年から40年間もの長きにわたって行われてきた長期間の不法行為である。保存期間が5年と定められているカルテが存在しないために、被害者であるにもかかわらずその証明が困難なものも多数存在する。長期間継続された不法行為により、また加害者として自ら被害調査など被害回復のための積極的な活動をしなかった国が、時間の経過という1点のみをもって責任を免れる除斥期間の主張を行うことが、信義則に反し権利濫用とならないのかには重大な疑問も存在する。

  我々は、今後も、不合理な除斥期間の壁に立ち向かう被害者全員の救済を求めて、一丸となって闘い続ける決意である。

以上

日本経済新聞で、「日本のデジタル社会と法規制」が紹介される

 2024年10月26日、日本経済新聞の朝刊の書評のページで、「日本のデジタル社会と法規制」が紹介されました。
 「活字の海で」というコーナーで、「個人データ、AI時代にどう活用 保護とのバランスを考える」との見出しで、瀬川編集委員がビジネス書とともに紹介されています。
 この書籍は、昨年発行したもので、ちょうど1年になります。
 日本弁護士連合会の編集であり、人権や民主主義の擁護のためという視点に貫かれていますが、その内容は中庸で、今なお、あるべき法制度を考えるに当たっては、参考になる視点に富んでいると思います。
 2022年に人権大会でこのテーマでシンポジウムをした際、デジタル庁の考え方、課題、自治体における行政事務の非効率性とデジタル化の関係などを考察するに当たり、日経新聞の記事がとても参考になりました。
 毎日、読み通すのに2時間以上かかってしんどいですが(最近では、スポーツ記事や、再審事件の報道なども手厚く、読み応えがあるように思います)、これからも市民に有益な情報が提供されることを期待したいと思います。

4・25「保険証を残そう!」署名提出集会でのごあいさつ

正午から、衆議院第一議員会館・大会議室で開催された表記の集会(主催 医団連・中央社保協・マイナ連絡会)で、以下のご挨拶をしました。

1 はじめに
 私は、福岡県弁護士会情報問題対策委員会委員長として、プライバシーや個人情報の保護の活動に携わっています。
 福岡県弁護士会は、2013年から、マイナンバー制度に対して、病気や障害などのセンシティブな情報の収集・蓄積と名寄せの手段となり、プライバシー権を侵害するとして反対してきました(2013年5月10日「共通番号法」制定に反対する声明など)。
 2021年5月6日には、デジタル関連法案の参議院での審議中に、「マイナンバーカードの義務化とデジタル関連法案に反対する会長声明」を出しています。
 そこで指摘している問題は2つあり、1つめは、本来「権利」であったはずのマイナ保険証の取得が、全く逆の「義務」に変えられてしまうことであり、2つめは顔認証システムが使用されることです。
2 権利が義務にさせられる問題点
 マイナンバーカードが任意取得とされている趣旨は,利便性よりもプライバシー権を重視する市民に「カードを持たない自由」を保障することによってプライバシー保護の選択肢を保障することにあります。利便性をプライバシーよりも優先したい人だけが取得する仕組みだからこそ、カードの取得は「権利」といえます。ところが、保険診療を受ける手段がマイナ保険証だけになってしまうのであれば、自分の生命・健康を守りたいすべての人は有無を言わさずにマイナ保険証を申請するしかなくなってしまいます。事実上の義務化は,利便性よりもプライバシー保護を優先したい人の権利を一方的に奪い去る、有無を言わさない人権侵害であって許されるはずがありません。
 しかも任意取得の原則という条文や建前は変えないと政府は言い張っていますから、実際の運用と口先の説明が明らかに矛盾していて、子供だましの詐欺レベルであり、国際的に見て恥ずかしい制度になっています。
3 顔認証システムの問題点
 また,マイナンバーカードのICチップには顔画像データが登載されていて,医療機関の窓口では,カードリーダーによって顔認証データを生成して本人確認を行っています。
 しかしながら,顔認証データは,指紋の1000倍の本人確認の精度があるため,その収集・利用が強制である場合,必要性・相当性が欠ければ違法なプライバシー侵害として損害賠償請求の対象となります。診察時に、患者の指紋を提出させるのと同じことだからです。
 EUでは,GDPR(一般データ保護規則)9条1項で顔認証データのような生体情報を原則として収集禁止し、個別の法律の制定を求めています。
 日本でも,民間・行政を問わず顔認証データによる本人確認が利用できる条件等についてのルールを法律で決めずに運用すべきではありません(2021年9月16日付日本弁護士連合会「行政及び民間等で利用される顔認証システムに対する法的規制に関する意見書」)。
  中国では、公共空間に6億台の顔認証カメラがあります。BBCの実験では、対象者を屋外で歩かせた後、警察がその顔認証データをもとに街頭の監視カメラで検索し、居場所を割り出してそこに到着するまでの時間はわずか7分でした(2021.9.18福岡県弁護士会シンポジウムにおける倉澤治雄氏講演など)。
  マイナンバーカードの前提となる顔画像データは、J-LISが管理しています。ところが、デジタル関連法の成立により、国が強く関与することになりました。現時点では、中国のように政府が市民の顔認証データを濫用することを具体的に防止する法律がありません。人権尊重主義を基調とする欧米であればとうてい考えられない状況です。
4 レセプト情報とのひも付けの強制
  保険証をデジタル化するだけなら、マイナ保険証は、どの健康保険が有効かまたは無効かという情報とだけ連携させれば十分なはずです。ところが、マイナンバーカードに健康保険証機能を付与する手続きにおいては、このような資格確認のためのデータベースのみを選択して情報連携することは許されず、レセプト情報や、特定健診情報との情報連携を同時に選択するしかない仕組みになっています。医療機関ではこれらの情報の提供について個別に不同意ができることからも分かるように、診療情報は、患者の同意なく利用してはならない、秘密にすべき必要性の高い情報です。カードとパスワードで閲覧できる対象となる情報は、事故や犯罪の恐れを考えれば、最初から限定する選択肢が与えられるべきであり、レセプト情報等のデータベースとの情報連携を、マイナ保険証の取得時に強制することはプライバシー侵害と言わざるをえません(2023年11月14日付け日本弁護士連合会「マイナ保険証への原則一本化方針を撤回し、現行保険証の発行存続を求める意見書」6(1))。
  ただの風邪で医療機関にかかり、よく分からずにうっかり同意した患者は、必要性も不明なまま、かかりつけ医に隠していた他院での精神科など知られたくなかった診療履歴を見られるかもしれません。利用者全員が、このような情報提供の現状を正しく理解しているでしょうか。そこにプライバシー侵害による訴訟リスクはないでしょうか。
5 ブレーキ(プライバシー保護)あってこそのアクセル(データの利活用)
 現在、マイナ保険証の利用は数パーセントであり、それは公務員でも変わらないと報道されています。ほとんど誰もが利便性を評価しておらず、医療機関での診療データの共有を積極的に望んでいないことは明らかです。
 国は、データ利活用によって、行政効率化と、「新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現」(個人情報保護法1条)を図ろうとしています。
 しかし、支出される税金の節約を意味する行政効率化は本当に図られているでしょうか。住民基本台帳カードの時は、市民の50%が保有する前提で節約が図れると試算されたものの実現しませんでした。マイナカードは、多額のポイントが支出され、さらには第2弾のマイナカードの交付すら予定されていますが、莫大な税金の支出に見合う税金の節約は試算すらされていないのではないでしょうか。
 たとえば、スマートフォンは、誰も強制しませんでしたが、便利なので、自然と普及しています。本当に市民が望む仕組みが構築されたら、無駄なポイントなど1円たりともいらないはずです。
 本当のデジタル化は、スマートフォンで完結する仕組みで達成できるので、そもそも形のあるカードを持たせようというのは、20年以上古い、浦島太郎のような発想です。マイナカードは時代錯誤で、本当に無駄な公共事業です。
 市民が、自分の行動を国から捕捉されないというプライバシー保障のためのしっかりした法律が存在し、政府への信頼がなければ、デジタル政策は成功しません。ブレーキが存在し、心から信頼できる場合にしか、自分の情報を他人にゆだねることはできません。
 公的個人認証の認証業務を政府が行えるように変更し、マイナカードで利用された確認履歴(電子証明書の発行番号)が、デジタル庁に蓄積される見込みとなっています。しかも、無料で使えるようにして、民業を圧迫する手段を、国会で議論することもなく、規則の改正で強行しようとしています。このままでは、いずれすべての市民の移動履歴、購入履歴等の一挙手一投足を、政府が効率よくデータベース化して一覧できる仕組みになってしまいかねません。世界中で批判されているデジタルプラットフォーマーによるプロファイリングを目指すかのような政府の姿は異常です。
 マイナカードの保有を自由から義務に変えてしまうのに、申請主義の原則という建前は変わらないという政府の説明はまるで「権利とは義務である。義務とは権利である。」というかのようです。これでは、「戦争とは平和である。自由とは隷従である。」というジョージ=オーウェルの「1984」の世界となんら変わらないのではないでしょうか。
 国は、プライバシー保護というブレーキを作らないことによって、ビッグブラザーのような監視のための情報収集の強力な権力を手に入れたいのでしょうか。
 弁護士会は、市民のデータは市民のものというデータ主権を奪われないよう、政府から監視の客体にされてしまわないよう、主権者側から政府をこそ監視し、チェックをかけることにより、プライバシーを守っていくことこそが専門家の務めであると信じて、これからも活動していきます。多くの市民やメディアの皆様が、この緊急事態を理解して行動されることを強く望みます。がんばりましょう。

「日本のデジタル社会と法規制-プライバシーと民主主義を守るために-」の出版

 2022年の日弁連人権擁護大会「デジタル社会の光と陰-便利さに隠されたプライバシー・民主主義の危機-」の報告書と、現場で行われた研究者、ジャーナリスト、もと政策担当者を招いて行われたパネルディスカッションを収録した本が出版されました。

 デジタルプラットフォーマーが、過剰にプライバシー情報を収集・結合して収益を上げているプロファイリングの問題、その現状をどう克服するかが問題であるのに、政府が自らプラットフォームを作ろうとしている問題。

 デジタルのことはよく分からないから、といって他人に将来をゆだねると、マイナ保険証を通じて、一生分の診療履歴がどこからでも見られるいびつな医療データベースが今後作成されるおそれすらあります。

 他人事と考えずに、自分の問題として考える方が増えてほしいと思います。

 日本弁護士会連合会編「日本のデジタル社会と法規制-プライバシーと民主主義を守るために-」花伝社をぜひお読みください。

医療情報のデータベース化とプライバシーの危機 ③

けんりほうnews 277号(2023.10.20発行)に掲載されました。

(なお、本稿は、筆者が「月刊保団連 1389号 2023.2」に投稿した文章をもとに加筆して再構成したものです。これが最後です。)

1 海外の医療データベース事情
 2022年5月に、EUで欧州ヘルスデータスペース(EHDS)法案が提案された。
  これを紹介する際に、まるで、日本で医療データの匿名化しないままの積極的利活用を行うことに根拠が付与されたかのような議論がみられる。しかし、果たしてそうだろうか。
  欧州委員会が2020年2月に発表した「欧州データ戦略」は、個人データ保護などの欧州の価値観と基本的権利を重視し、人間中心であり続けることを理念として掲げている。医療分野の取り組みとして、「EU市民の医療データへのアクセスとデータのポータビリティを強化する措置を実施し、国境をまたいでデジタル医療サービスと製品を提供する際の障壁を取り除く。」「欧州医療データ空間のためのデータ・インフラ、ツール、演算処理能力を整備し、特に国家電子医療記録(EHRs)の開発と、電子医療記録の互換フォーマットを通じた医療データの相互運用性を支援する。」などとされる。
 主語は「EU市民」であり、データを誰が使ってよいのか、誰が使ってはならないのか、それを決定する権限は、あくまで主権者である市民であることをゆるぎのない大前提として、それを「人間中心主義」と標榜していると捉えるのが素直だと思われる。
 2020年11月の欧州委員会「データガバナンス規則案」は、公的機関が保有する特定のデータを、個人データ、知的財産権、企業の機密情報などの保護を条件に、民間による再利用を可能にするためのメカニズムを規定するが、データの再利用を許可する公的機関は、個人データの匿名化や安全な処理環境、企業秘密の削除、データの再利用者からの承諾取得などといった技術的措置を講じてデータの権利者の権利と利益を保護しなければならない。
 冒頭で紹介した欧州ヘルスデータスペース法案だが、患者の診療に関連するデータの1次利用では、データは「通常の居住する加盟国だけではなく、そのようなデータは、患者が通常の加盟国の居住国以外の加盟国で治療を受けている場合には、EU域内で共有する必要がある」とされており、患者自身の治療という情報主体の選択と具体的な必要性から離れた文脈でのデータ利用が促進されているものではない。
 2次利用(診療目的を超えた再利用)では、上記の通り匿名化等のデータ権利者の利益保護が求められているから、世界最高水準とされる、プライバシー保護に手厚いGDPRによる個人データ保護の水準は維持されるものと思われる。
  EUのデータ保護関連法、ことにGDPRはドイツ法の影響が強いが、ドイツでは、がん登録法においても、患者は異議申立権があり、行使されたら登録は中止・抹消が義務となる(2013年時点)。統計上の誤差を少なくすることよりも、患者のプライバシー権、自己情報決定権を尊重している点で、日本の法制度と全く異なっている。
 そもそも、GDPR5条1項c号は、データ最小限化を求め、欧州基本権憲章52条1項は個人データ保護の権利への制約は、必要性の比例性を考慮に入れる必要があるとする。データ管理者は、個人データを収集し保有する必要性について明確に説明し、証明できる必要がある。GDPR9条1項は、遺伝データ、健康に関するデータはいずれもセンシティブ情報であるとして、その処理を原則として禁止している。
 従って、患者の自己決定権から離れた1次利用や、匿名化、患者の同意またはそれに変わるデータ保護機関の承認等の慎重な手続きなしの2次利用が容認されるとは考え難い。
 現状でも、アメリカやスウェーデンは1次利用中心にとどまっており、2次利用を指向するシンガポールは大量情報漏洩事故が生じて停滞している。イギリスでは幅広い情報の連携・集約が目指されたがコンセンサスが得られず、項目を絞り、オプトアウト(本人が求めたときは個人データの第三者提供をやめる)も導入して慎重に運用されている(「諸外国における医療情報の標準化動向調査」厚生労働省2019.3)。
  翻ってみると、日本のがん登録も、2015年までは医療機関都道府県から中央へのデータ提供においては匿名化されており、プライバシーへの配慮が行き届いていた。都道府県を越えた移動等の統計上の誤差を生み出さないことに、全てのがん患者の顕名化を要求しても釣り合うほどの医療上の有益性が存在するのか疑問である。必要があるというのなら、それを市民に説明すべきであろう。説明できないのであれば、プライバシー侵害の不法行為が成立すると考えられるから、もとの制度に戻すべきだろう。
2  レセプト情報・特定健診等情報データベースと同意
  私は、2016年からマイナンバー違憲訴訟に取り組んできた。マイナンバーについては、市民の個人情報が名寄せされるのは、少し先の将来の問題だと考えていた。
 マイナンバーカードが任意取得であり、嫌なら取得する必要がなかった点、自分は反対の立場であり将来にわたって取得しない予定だったことから、マイナンバーカードやこれに連動するデータベースの問題については、それほど深く意識してこなかった。
  健康保険証の廃止等で、実質的にはマイナンバー法の改正に等しい、マイナンバーカードの取得強制(取得しなければ診療報酬における制裁としか考えられない、反対利益が皆無の不合理な加算による負担増加がなされるという政策も含め)が進められている。
 そして、既に指摘したように、マイナ保険証によるオンライン資格確認等の機能をオンにすると、レセプト情報・特定健診等情報のデータベースとも結合することに強制同意が迫られ、これを拒否する選択肢が与えられていない。
 この点は、とても単純であるが、明らかなプライバシー侵害である。
 健康保険証機能のデジタル化は、窓口にきた患者の保険証が現在有効かどうか、示された保険証と、保険者が変更していないか、などが確認されればとりあえずそれで十分役割を果たしている。これに対し、レセプト情報・特定健診等情報へのアクセスは、患者自身が医療機関の受付で提供を拒否してよい選択肢が与えられているとおり、これを絶対に有効にしなければ制度が立ちゆかなくなるものではない。プライバシー権が保護される日本では、当然に不同意が認められるべきものである。
 現場で、患者自身に情報提供に関する自由意志による拒否権が保障されているにもかかわらず、マイナ保険証機能をオンにする場合、資格確認等の機能だけでなく、レセプト情報・特定健診等情報データベースへのアクセスを100%強制される合理的根拠はない。「選択しない自由」を保障しない選択は、日本以外の民主主義国家では、「強制」に他ならず、「同意」によるプライバシー侵害の正当化はできない。また、システム全体に対して十分理解できる内容の説明が与えられないままのこのような同意の取得方法には、そもそもデータの主権者である市民への敬意がかけらも感じられない。「黙って同意しろ」といわんばかりであり、21世紀の現代に、このような強制同意取得システムを公然と運営している国は、中国や北朝鮮のような権威主義国家しかない。民主主義や人権尊重主義を掲げる国連憲章の価値観を尊重する先進国のグループでは、決して尊敬されず、軽蔑されることを覚悟すべき状況であることを自覚した方がよい。国連が問題としている人権問題は、決してジャニーズ事務所の事件だけではない。わずか30年程度で、日本の人権保障レベルは地に落ちてしまっている。知らぬは日本人ばかりなり、という状況である。
3 日本の医療と同意の強制
  そもそも、日本の医療では、国際水準では問題とされる同意取得がなされてきた。
 全国のハンセン病療養所をめぐり、らい予防法の廃止を説得して回った元厚生省医務局長の故大谷藤郎氏は、1980年代当時の精神衛生法における同意入院(同居の家族が本人の代わりに同意を付与する精神科への入院)は「強制入院ではないと理解していたが、外国の人権関係者から同意入院は強制入院であり、人権侵害的であると指摘されてびっくりした。私たち日本人は障害者の人権について考えが甘いどころか全く分かっていなかったのだ。」とされる(「らい予防法廃止の歴史」p279)。
 精神疾患と診断された瞬間にその主体性と同意能力が否定され、第三者が人身の自由を制限できるというしくみは、患者の同意に基づくしくみでないことはもちろん、明白な人権侵害である。現在は、「精神保健福祉法」と名を変え、医療保護入院という制度に変更されているが、そもそも国際水準とかけ離れて、医療的には不要な「社会的入院」が多すぎるとの批判が強い。
  現在も、当事者以外があまり認識していないと思われる、不合理な同意は散見される。
 抗精神病薬や、睡眠時無呼吸症候群患者に対し使用される医療器具等の使用に対し、患者情報や、診療情報等を製薬メーカー、医療器具開発メーカーに対して提供することに同意しない限り、投薬や医療器具の使用が許されない運用があり、問題ではないかと指摘されつつある。
 もちろん、治験段階など、利益不利益を問わないその薬剤の効果を収集することそれ自体が目的で投与される場合には、その旨の説明と同意を踏まえて包括的な診療情報の提供に同意が取得されることに合理性があるだろう。しかし、保険適用の承認後の抗精神病薬に対し、患者を特定する個人情報や、投薬後の薬効を評価するのに有益な診療情報を得ることは、製薬メーカーの利益である反面、患者にとってはプライバシー制限という不利益以外の何物でもない。そのため、自分が当該精神疾患の患者であるという事実や診療情報の提供を拒否した状態で投薬治療を受けられなければ人権侵害である。特に、疾患という身体的あるいは精神的な弱点を持ち、改善を願うのであれば医療者の助力を得るほかないという構造上の上下関係がある場合、EUでは同意の有効性は厳格に審査される。自分の病気に対して有効で必要な投薬を受けるに際し、これらのセンシティブ情報提供の同意を強制されるというのは、国際水準でいうと、重大な人権侵害としか評価されえない。
 日本では、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)で、医療データの利活用を最優先にして、産業の発展を図ろうとしているように見える。個人情報保護法も、2015年改正で、1条の法の目的がデータの利活用に重視をおくかのように改訂された。国際的にはプライバシー保護に専念する機関であるはずの個人情報保護委員会には、「利活用班」が設置され、日弁連が反対しているJR東日本による顔認証システムの運用に問題なしと回答したとされ、プライバシー保護はそっちのけでデータの利活用に前のめりである。
 「同意しない」=「拒否する」という選択肢を与えないまま、強制的に市民の「同意」を取得しながら得られた医療データベースは、そもそも人権侵害データベースである。このデータベースを分析し、活用して得られた成果物は、国際的な取引の対象から外されるリスクを伴う。日本の企業は鈍感だと指摘されているが、例えばウイグルの材料をもとに生産された衣料品が、国際社会では取引の対象とされないのと同じである。最も要保護性が高い「センシティブ情報」の究極である医療情報について、正当な同意すらなく強制収集されたデータベースの成果がまるごと排除されるのは、人権デューディリジェンスが求められる国際社会においては、容易に想定される近未来図である。
  もちろん、人権を重視しない権威主義国家向けで産業を発展させればいいではないかという考え方もあるかもしれない。しかし、それでは、世界全体の標準とはなり得ない、落ちこぼれの落ち穂拾いにしかならないだろう。これからの世界では、人権を尊重し、人間中心主義という核心的ルールをゆるがせにしないもとでしか、世界で堂々と通用する、普遍的な価値を体現するイノベーションは起こすことができない。人権を中心におかない日本の考え方は国際標準とかけ離れていて参考にならないため、AI規制など、国際的なルールメークの場面では、今後はますます相手にされなくなるだろう。もちろん、国際社会において名誉ある地位を占めることができなくなるだろう。
4 市民の幸福に資するデジタル化のために
  2018年の時点で、アメリカでは特定の分野に関する医療画像の読影について、AIの診断が、読影する医師の上位2%の成績を収めたと報道されていた。もちろん、膨大な画像データの集積・解析が前提となるが、画像診断の正確性の向上が、患者の利益であることに異論はない。
 画像データも、匿名化された形で、画像診断の正確性の向上の研究などの正当な目的のために集約され、分析されることは促進されるべきだと考える。
 ところが、日本では、匿名化なしで利活用できないかという、人権を尊重する民主主義国家ではご法度レベルの主張が堂々と出され始めている。
 EUが厳格なデータ保護を行うのは、効率的なユダヤ人のあぶり出しを図ったナチズムへの徹底的な反省のためであり、差別の対象となり得る特性を持ったデータベースの作成は忌避するのが出発点である。ボタン操作ひとつで、感染症や遺伝病、精神疾患等の患者名が一覧できるようなデータベース、あるいは特定の患者名を基に、人生の全ての疾病歴が一覧できるようなデータベースは作成されるべきではない。中国や北朝鮮のような権威主義国家でも、公然と主張するのははばかられるのではないだろうか。
 誰もが他人に知られたくない、明治時代から守秘義務が刑法で課されている医療情報について、同意なく、匿名化も図らず、人権を無視した名寄せが許されてはならない。
 このような危険なデジタル化がなされないためには、医療情報に関するプライバシー保護のためのデータ結合禁止法や、差別禁止等の法整備こそがまず必要である。
 健康・医療等情報の結合についての国民的議論が全く不十分なまま、PHRをはじめとした医療のデジタル化が拙速に進められるべきではない。

鉄道カメラに対するパブリックコメント

本日、日本弁護士連合会情報問題対策委員会有志で、以下のパブリックコメントを送付しました。

 

1 防犯効果のエビデンスが示されておらず、必要性に乏しい。

  2022年3月22日付日本弁護士連合会の「列車内の『防犯カメラ』設置を義務化することに反対する会長声明」(以下、「会長声明」)、2012年1月19日付日本弁護士連合会「監視カメラの対する法的規制に関する意見書」(以下、「意見書」)に記載されているとおり、現に犯罪が行われているときだけでなく、常時無差別録画または常時配信を行う監視カメラ(防犯効果が科学的に裏付けられない場合も多いためこう呼ぶ)については、列車内のように、公共の場所、あるいはこれに準じる施設においては、①犯罪等が発生する蓋然性の存在と、②カメラの設置により予防する効果が具体的に期待できること(防犯の有効性)等を要件としてしか設置してはならないことや、収集されたデータの取り扱い方法について事前にルールを定めるなどの規定をもつ監視カメラ規制法が制定され、罪のない市民に対する必要性を超えたプライバシー侵害がなされることを可及的に予防することこそが、人権尊重主義の観点から必要である。

  ところが、会長声明の通り、本件省令改正のきっかけとなった令和4年の小田急線車内傷害事件、京王線車内傷害事件を振り返ると、危険物の持ち込みを防ぐための乗車前の手荷物検査でなければ、防犯効果は生じない。特に、自暴自棄となって周囲を巻き添えにする自殺目的である場合や、逮捕されたり処罰されたりすることを恐れないものに対して「防犯カメラ」の設置により犯罪を予防することはできない。

 令和5年6月の「車内防犯カメラの設置についての対応方針(案)」「背景」には、「○ このような状況を踏まえ、鉄道車内における他人に危害を及ぼすおそれのある行為などを抑止する効果を高める観点から、車内防犯カメラの設置を求めることとし、所要の法令改正を行うこととする。」とされており、国土交通省自身も、行政機関が、民間事業者に過ぎない鉄道事業者に対して、経済的な負担や、乗客に対するプライバシー侵害やこれに関連する業務負担を課す前提として、防犯効果という正当な政策目的が必須の前提として必要であることを自認し、パブリックコメントで意見を求めているように見える。

 しかしながら、令和4年6月24日付けの「防犯カメラ設置の基準に係る論点整理及び検討の方向性」(以下、「方向性」)では、小田急線事件においては、乗務員がリアルタイムで映像を確認できる車内防犯カメラが設置されていたにもかかわらず、防犯効果はなかった。そのため、「方向性」では、小田急線事件の防犯カメラは、「事後的に検証することができた」という効果しか認められていない。

 しかも、「方向性」でも、「逮捕されることを厭わない確信犯に対しては、犯罪の抑止効果を期待することはできず」と、小田急線事件や京王線事件のような事件に対する防犯効果がないことを全面的に認めている。

 なお、「方向性」には、「その他(確信犯以外:引用者注)の犯罪企図者に対しては、録画機能付き防犯カメラであっても『犯罪の抑止』の効果を期待することができ、列車内においては凶悪犯より粗暴犯の方が認知件数の割合が高いことや、現状において車内防犯カメラの設置率が低い状況(全国の旅客車の約4割)にあること、また、設置・運用に係る費用負担を考慮すれば、先ずは、録画機能付きの防犯カメラも含めて車内への設置を進めることが有効と考えられる。」とある。

 しかし、小田急線事件、京王線事件に防犯効果がなかったうえ、確信犯以外の犯罪企図者に対しての防犯効果が期待できるか否かは、既に旅客車の約4割に設置済みというのであれば、設置前後の犯罪発生数比較や設置車両とそれ以外との比較等で防犯効果は数量的に計測できるはずである。技術基準検討会において検討が重ねられ、参加者は全て工学系、技術系の専門家と鉄道事業者鉄道事業者団体に限定されていたのであるから、少なくとも期待される防犯効果に関する自然科学的分析と公表は、政策変更の前提として不可欠である。

2 法律による規律が不可欠である。

 そもそも現に犯罪が起こっている時・場所でないにもかかわらず罪のない不特定多数の市民を常時録画するという、必要性を超えたプライバシー侵害を恒常的なものとする監視カメラの設置は、それ自体で重大なプライバシー侵害である(最高裁昭和44年12月24日判決・京都府学連事件判決、最高裁昭和61年2月14日判決・オービス事件判決など)。

  しかも、現在は、監視カメラの機能として、顔認証システムを付加させることができる。指紋の1000倍と言われる本人確認精度を持つ顔認証システムは、公共空間に対して運用されるときには、市民の逐一の移動履歴すら捕捉されかねない行動の過剰な監視につながり、そのプライバシー侵害の程度はなお著しい。日本弁護士連合会が、2021年9月16日付「行政及び民間等で利用される顔認証システムに対する法的規制に関する意見書」で指摘しているとおりである。また、EUで公共空間への運用が禁止されていることは公知の事実である。

  従って、「意見書」に記載されているとおり、不特定多数の市民のプライバシー権を侵害することから、監視カメラの適正な運用基準を事前に定める内容を持つ法律による規律が不可欠である。しかも公共交通機関の利用は、文字通り公共性が高く、これを一切利用しないで生活することは困難であることから、なおさらである。

  その具体的内容としては、「意見書」の通り、下記のものが求められる。

 従って、列車内に監視カメラを設置することについて、法律の制定によるプライバシー保護措置を採ることなく、省令改正は行われるべきではない。

① 機能として、顔認証システムを付加させてはならない。

② 画像情報を収集する際、監視カメラの設置場所において、録画していること、録画の目的、設置者、連絡先等を明示すること。

③ 画像情報の利用・第三者提供について、以下の事項を遵守すること

 ア 設置目的以外に利用しないこと。特に顔認証システムのために2次利用しないこと。

 イ 設置目的のために不要となった画像情報は直ちに消去すること。

 ウ 設置場所において生じた犯罪に関する画像以外の画像は、令状によらず任意に捜査機関に提供しないこと。

④ 情報主体からの開示請求に応じること。

⑤ 監視カメラが、法で定めた設置・運用基準に反していないかを監督する機関である、行政機関から独立した第三者機関に、設置者に対する調査権限及び勧告・是正命令等の権限を付与すること。

                                                                    以上