福岡市内では、本日店頭に並んだ雑誌「世界」4月号に、表題の文章が掲載されました。表題は、出版社から提示されたお題です。
以下の見出しで、マイナンバーカードの義務化と顔認証の日常化への懸念を書いています。
1 権利から義務への逆走-マイナンバーカード-
2 顔検索の時代-顔認証データの強制取得
3 強制顔検索をどう避けるか
4 行動追跡手段としてのマイナンバーカード
5 プライバシーと利便性という二律背反
6 同意原則を公権力に遵守させよ
7 無駄な二重行政
8 デジタル情報リテラシーの向上を
9 市民の意識こそが問われている
私がプライバシー問題に関わり始めた最初のきっかけは2002年の福岡県弁護士会での住基ネット反対の活動で、その後2004年に九州弁護士会連合会のシンポジウムなどで監視カメラの問題に取り組み始めました。「世界」2004年7月号の特集「犯罪不安社会ニッポン どうすれば安心なのか」は、その頃買って線を引いて読みました。17年後に監視社会化という同じテーマで原稿を書くことには感慨深いものがあります。
しかし、まだアナログのビデオテープで記録されていたものも多かった当時の監視カメラからは想像もつかないほどの監視の高度化が実現しています。高度に進展した技術革新の成果には全く不釣り合いな、貧弱きわまりないプライバシー保護の法制度に残念と言うほかありません。