大島青松園熊本判決5周年集会

 8月19日午後2時から、高松市の沖にある、大島青松園で、熊本判決5周年集会が行われました。
 弁護団からは11名、修習生が6名参加しました。
 長尾園長の挨拶に始まり、原告団長だった曾我野さんによる、訴訟や判決後の交渉の経過についての報告、現自治会長である森さんによる、大島青松園入所者の意識調査の結果の報告、弁護団長である徳田弁護士による、これまでの経過と、今後の闘いについての講演、最後に高松市市民部人権啓発課の多田さんによる現地学習による交流の報告がなされました。
 大島青松園は、現在の入所者数が148名で、この5年間で、毎年約20名の方が亡くなっています。入所者の平均年齢はほぼ80歳であり、5年前と比べても寂しい状況になっています。
 このような中で、入所者の皆さんは、数が減ってしまったら、いつかは長島愛生園など、瀬戸内の大きな療養所に統廃合がなされるのではないかと心配されています。
 しかしながら、国(厚生労働省)は、何らの合理的理由もなしに入所者を生涯離島に閉じこめ、その人生を奪った国の法的責任に基づき、入所者が1人になっったとしても、希望者に対する在園する療養所での生活を保障しています。
 他方、福祉を削り、医療を削る国の政策は急ピッチで進んでおり、的確な対応がなければ、国の約束が果たされなくなる危険もあります。
 徳田弁護士は、隔離施設ではなく、社会に開かれた施設を誘致して、存続を図る対案を考えることや、約束をした国自身に対して、どのようにすれば施設の存続が可能であるかを真剣に検討させるような運動が必要だと話されました。
 入所者の方々も、守りの将来構想から、積極的な将来構想が必要だと認識したと、このお話に元気づけられていました。

 なお、集会終了後は、午後4時前から懇親会が始まり、カラオケや囲碁なども混ざりつつ、遅くまで交流を深めました。
 私が稽古を付けてもらった原告は、囲碁が6段ということでしたが、5子(初段とのハンディキャップ)でこてんぱんにやられてしまい、その後挑戦した小林先生も同じ手合いで中押し負けを喫していましたので、最近の囲碁の認定は、ちょっとインフレ気味かもしれません。
 25度の日本酒の原酒や、おいしい焼酎が各種そろえられていたため、お酒に負けて12時前に寝てしまいましたが、元気な修習生は、2時過ぎまで盛り上がっていたそうですので、よい修習になったのではないかと思います。