B型肝炎大阪訴訟でも和解勧告

 2010年4月23日13:30から、大阪地方裁判所は、B型肝炎大阪訴訟につき、口頭で以下のように述べ、和解を勧告しました。
「本件の事案の内容に鑑みると早期解決が望ましい。他地裁の同種事案においても和解勧告がなされている。本件についても当裁判所としては和解による解決が望ましいと考えている。今後,原告及び被告において和解による解決が可能かどうかについて双方の意見を伺いたい。双方の意見の聴取の日程については進行協議で定める。」そして、その後の進行協議において、次回期日が6月2日14:00に指定されました。
 これは、札幌地裁(3月12日)、福岡地裁(3月26日)につづいて3件目の和解勧告と言うことになります。
 B型肝炎訴訟は、すでに最高裁判決があるため、予防接種の回し打ちに関する国の法的責任は確定しています。
 全国で、国の法的責任に基づく賠償義務の存在は共通の認識となっています。
 しかし、国は未だに和解のテーブルに着くことを示さず、原告の声を聞く大臣面談すら拒否し続けています。
 3月12日の和解勧告後に、福岡では1名の原告が亡くなりました。
 3月26日の和解勧告後に、大阪で1名の原告が亡くなりました。
 国が責任をとらず、患者を放置し続けているうちに、被害者の命は失われています。
 せめて、被害者の命のあるうちに全員に謝罪すべきではないでしょうか。
 「命を守る」鳩山政権が、何をどう協議しているのかは、原稿団・弁護団には全く知らされないまま、まもなく2ヶ月になろうとしています。解決の引き延ばしでしかないような回答はとうてい許されないものというべきです。
 以下、全国原告団弁護団の声明です。

全国B型肝炎訴訟・大阪訴訟での和解勧告についての声明      
                  
                   全国B型肝炎訴訟原告団弁護団
                  
 本日、大阪地方裁判所は、全国B型肝炎訴訟大阪訴訟の弁論期日において、本件は和解による解決が望ましいとの意見を表明し、事実上の和解勧告を行いました。
この和解勧告は、本年3月12日の札幌地方裁判所、同月26日の福岡地方裁判所に続いての全国で3番目の和解勧告となるものです。
大阪地方裁判所は、「本件の事案の内容に鑑みると早期解決が望ましい。」と述べ、平成18年最高裁判決により国の責任が明らかにされていることを前提として、被害者を一刻も早く救済すべきであるとの立場から、和解による解決を求めたものです。私たちは、大阪地方裁判所の今回の姿勢を高く評価するものです。
これまで、全国で10名の原告が亡くなっています。現に病状重篤な原告も多数おり、本件の解決にはまさに一刻の猶予も許されません。
私たち全国原告団弁護団は、これまで2度にわたって、和解による早期解決を求めて、鳩山首相ほか関係閣僚との面談を求めてきました。残念ながら面談はまだ実現しておらず、私たちはこの関係閣僚の対応に強く抗議するものですが、今回、大阪地方裁判所が和解を勧告したことで、本件はまさに和解による解決以外にはあり得ないことが一層明らかとなったものです。
私たちは、被告国が、これらの和解勧告を受け入れ、B型肝炎訴訟を全面的に解決する方向に姿勢を転換し、一日でも早く和解を実現させること、そして、そのために、原告・弁護団との協議をただちに開始することを改めて強く求めるものです。

2010年(平成22年)4月23日