B型肝炎九州訴訟第2回期日

 15:00から、福岡地方裁判所で、B型肝炎九州訴訟の第2回期日が開かれました。
 原告番号16番の女性は、自らが予防接種の回しうちによるB型肝炎に苦しんでおられますが、そのことよりも子どもたちに母子感染でB型肝炎を感染させ、子どもたちの肝炎が発症する不安や、それに伴う生活上のさまざまな障害が心配であることなどを語りました。そして、子どもたちが発症しても、せめて安心して最善の治療が受けられ、普通の生活が送れるようになるために、自分の思いを伝えたいといって、法廷で実名(梁井さん)を公表されました。
 また、原告の窪山さんは、それまで健康そのものだったのに、1年前の人間ドックで突然肝臓ガンと宣告され、それをきっかけに、初めて自分がB型肝炎に感染したことを知ったこと、また、そのときに肝臓の3分の1を切除する手術を受け、安心していたのに、今年の夏に再発して目の前に死を突きつけられながら生活していること、この裁判を戦うことは、自分が懸命に生きた証を残したいという、自分の最後の生きざまだ、という決意を語りました。
 2人の原告のお話に、法廷では涙をおさえる姿が見えました。
 続いて、吉村弁護士は、国が主張しているジェノタイプAの問題について意見を述べました。このタイプのB型肝炎ウイルスは成人感染後でも10%慢性化するという国の主張には根拠が示されておらず、また、ほかの医学文献で、単に一時的な急性感染の中で、少しだけ治りが遅いものを慢性化と取り違えているという指摘があること、このような根拠薄弱な主張で、原告ら一人一人に無駄で高額の検査を強いるな、と訴えました。
 最後に、私から、被害者がB型肝炎に感染した原因が予防接種の回しうちであるといえるための条件について、少なくとも昭和63年までに生まれていれば回しうちを受けていること、母子感染さえ否定できればほかには有力な原因がないこと、国は母親の完全なデータを求めているが、自ら被害者を放置し続けた結果、母親が亡くなっていることで責任を否定するのではなく、一人残さず被害者を救済すべきことなどを指摘しました。
 次回までに、国が、2次提訴原告に対する因果関係の認否、ジェノタイプA、父子感染、除斥期間論に関する反論、そして、予防接種に関する主張を行うことが決まりました。
 報告集会の後、約50名の原告、支援、弁護団で懇親を深め、2009年1月22日に行われる全国B型肝炎原告団の結成式、院内集会、国会ローラーへの参加などの取り組みをもとに、2009年中に解決を図るよう求めていくことを確認しました。
 次回は2009年2月18日15:00から、501号法廷(場所が変わるのでご注意ください)で行われます。 
 多数の方々の傍聴支援をお願いいたします。