札幌地裁、肝炎被害者を線引き

16:00に、札幌地方裁判所で、B型肝炎訴訟に関する2次所見が出されました。
 2次感染被害者に対する被害者認定基準を示した一方、発症後20年以上経過した慢性肝炎被害者には、和解金300万円(現に治療を受けている者等)と150万円(それ以外の者)を支給するという内容です。
 長く苦しんだ被害者のほうが不利益を被るという形式的な法の適用を前提としたもので、不合理です。
 早期解決を願う被害者の足元を見る国の対応に近い所見です。
 原告らは、この所見を受け入れるのかどうか、検討せざるを得ません。

 以下、原告団弁護団の声明です。 
 
2011年4月19日
B型肝炎訴訟・第2次和解所見について
                        全国B型肝炎訴訟原告団
                        全国B型肝炎訴訟弁護団

1 本日、札幌地方裁判所は、B型肝炎訴訟について、和解に関する全体の所見(基本合意書案)を原告・被告に提示した。
  この基本合意案は、本年1月11日の第1次所見に加え、同所見で残された論点、すなわち、主として(1)予防接種によってB型肝炎に感染した被害者である母親からさらに母子感染をした二次被害者の取り扱い、(2)慢性肝炎発症後20年経過後に提訴した被害者の取り扱いを付加して示されたものである。
2 今回の新たな所見のうち、二次感染者に関する部分は、これまでの協議の結果をそれなりに反映したものである。
  しかし、慢性肝炎を発症してから提訴までに20年以上を経過した被害者の取り扱いについては、一定の救済を図っているものの、国の「除斥」の主張に引きずられ、私たちの求めてきた「差のない救済」からは大きく隔たっており、遺憾であると言わなければならない。
3 原告団弁護団としては、今後、さまざまな要素を考慮し、本日の裁判所の第2次所見を受け入れるかどうか、慎重に検討する所存である。
以上