国民投票法案の衆院通過

 4月12日に委員会を通過した国民投票法案は、本日衆議院本会議を通過しました。
 中身の問題点はいろいろありますが、それは新聞や、弁護士会の会長声明等に譲ります。
 一番問題なのは、国民が、いったいどんな中身なのかを全く分からないままに、こんな大事な法案が決まってしまったと言うことです。
 今朝の朝刊を見ると、改憲論者で、国民投票法が必要だと思っている人も、こんな成立のさせ方には反対だという意見が載っていました。
 実は、このような意見は、これまでもいくつも出されていました。
 この法案に対しては、わずか全国で3都市でだけしか公聴会が開かれていませんが、そこで提出された100数十の意見のうち、この法案そのままでいいという意見は、わずか2つしかなかったといわれています。
 憲法改正の手続きを決める法律が必要だと思っている人でも、その中見に問題があって、改正されないと反対だという意見ばかりでした。
 この法案の問題点は、憲法改正案の中身を国民が知ったり、変えた方がいいのか、変えない方がいいのか、についてよく考えて、考えを決める時間や十分な情報がないことです。
 この法律によれば、憲法改正案が発議されたら、わずか60日(最大180日ですが)で投票させることができます。
 単純な手続きを定めるだけのはずである国民投票法自体、60日で中身の分かる法律ではありませんでした。もちろん、最初に案が出されて180日以上たっています。それでも、国民には、争点は全く理解できないような国会情勢(説明の欠如、議論の欠如)だと思います。
 このような短期間に、誰が主人公なのか、国民と国家はどちらが尊重されるべきなのか、をひっくり返す毒を盛り込まれた憲法改正案の問題点を、最終的な結論がどちらかはともかくとして、「こういう問題点があるのか、それで意見が分かれているのか。」という争点を理解すること自体無理だと思います。
 18:00から、弁護士会主催で、天神でビラまきをしました。
 メディアの取材陣の方がたくさん来ていたためもあるのか、ビラの受け取りがとてもよく、あっという間に用意したビラがはけました。
 中には、西鉄の駅のコンコースの中で人待ちをしている方で、自らビラを受け取りに来られる人も複数いました。
 最近まれに見る関心の高さでした。
 参議院でもっと慎重に審議して、「政府が用意した提案を素通しするための法律」は、いったん廃棄して、一から議論をやり直してほしいと思います。そうでなければ、主権を持っている国民の意思で成立した法案とはとても呼べないでしょう。これは、主権を握ろうとする国家が、国民を無視して暴走する練習法案でもあるのです。