市民は危険な最前線。警察は安全?

現在、福岡東署の暴力団担当の警部補による、指定暴力団工藤会が逮捕されそうだった恐喝事件に助言した収賄事件が報道されている。2001〜2年には、中洲カジノバーでの賭博捜査情報を暴力団に提供し、3120万円を受け取った受託収賄事件等で警官4名が逮捕された。
 福岡県警は、県内に5つの指定暴力団を抱え、暴力団排除を最重点の課題としている。暴力団排除条例も全国で最初に制定した。しかし、この条例は被害者的立場にある市民が恐喝に屈してみかじめ料を払うと犯罪者扱いする。
 武器のない市民に、暴力団と最前線で戦えという苛酷な義務を負わせている。それでいて、武器を持っている暴力団担当の警察官は、暴力団の恐喝を立件しないための便宜供与を行うなど、持ちつ持たれつで自分は危険な目には遭わないというのでは警察、特に暴力団対策の警察業務の存在意義が疑われる。