榊原さんが和解

 2012年10月15日11:00から、福岡地裁B型肝炎九州訴訟の口頭弁論・和解期日が開かれました。
 九州原告団副代表の榊原俊之さんは、和解が成立しました。榊原さんは、母親が死亡されており、HBs抗原の血液検査データがとられたのは母親が80歳と21日の日でしたが、80歳未満でのデータでしか母子感染を否定できないとする基本合意書の例外規定を用いた被害者認定の第1号となりました。
 なぜ認定できたのかの基準を国は明らかにはしていませんが、一定の要件がある人だけを確実に被害者と認めるだけでない、それ以外の個別認定で、被害者救済が拡げられているのは、ほかにも証拠がなくなっている被害者の救済につながるもので評価できます。 
 他方で、原告が提出すべき追加資料が卒業証書など、形式的なものだけになっており、その指示に従ってすでに資料を提出しているため、すぐにチェックが完了して和解できるはずなのに、3週間も放置されている事例が多数存在しており、国の和解手続きの怠慢がひどい状態になっています。国が口先だけ「誠実に対処しています」といっても、30秒で終わるはずの審査に3週間たっても結論が出ないというのはあまりにもひどい状況です。

 本日、福岡地裁で25名の原告(被害者数22名)の和解が成立しました。

<被害者の内訳>
キャリア     50万円  1名
慢性肝炎   1250万円 11名
肝硬変(軽度)2500万円  1名
肝ガン    3600万円  6名
死亡     3600万円  3名(遺族5名)

<原告の内訳>
福岡15名、佐賀4名、長崎3名、大分1名、熊本1名、宮崎1名
10代から70代までの男女

<九州訴訟和解者の現在数>
本日の和解により、福岡地裁151名→176名(原告数。被害者数では142名→164名)、九州167名→192名(原告数。被害者数では159名→181名)に
福岡の和解者内訳:キャリア13名、慢性肝炎83名、肝硬変(軽度)16名、肝硬変(重度)1名、肝ガン40名、死亡3名

<九州訴訟原告数:2012.10.15>
九州全体で 843名(被害者754名)。うち、福岡地裁 722名(被害者639名)、熊本地裁50名(被害者45名)、鹿児島地裁42名、那覇地裁29名(被害者28名)

<全国の原告数・和解数:2012.10.14 全国弁護団集計分>
2012.10.12時点で原告6300名(被害者5801名)
10.12時点で和解原告987名(被害者892名)
     *10.15で1012名(被害者914名)へ。

* 今後の予定
10/31 15:00 福岡追加提訴予定
11/19 11:00 福岡地裁弁論・和解
12/17 11:00 福岡地裁弁論・和解

* B型肝炎訴訟相談窓口 092−883−3345
 平日9:00〜12:00,13:00〜17:00