2011年10月29日14:00から、博多駅東のARKビルで、B型肝炎九州訴訟原告団・弁護団主催の医療講演会が開かれました。
最初に、久留米大学病院の宮島一郎先生から、「B型肝炎治療の現状」という題での講演をいただきました。
B型肝炎とC型肝炎の違い、B型肝炎の自然経過、B型肝炎の診断・治療、肝ガンの治療、医療費助成についてわかりやすいご説明をいただきました。
B型肝炎に対するインターフェロン治療の効果について、インターフェロン24週投与後、ALT正常化またはDNA5未満となるのは、7.0%、ペグインターフェロンでも9.8%とのご指摘がありました。
参加者から、治療方法に関する質問などが出され、活発な質疑応答となりました。
つづいて、福岡県保健医療介護部健康増進課の吉田さんから、「福岡県におけるB型肝炎ウイルス健診・肝炎対策の現状」についてお話がありました。
平成14年以降の健康増進事業の受検者が平成21年までで約35万件、平成19年以降の保健所・医療機関による無料検査の受検者数が平成23年9月までで約5万3000件だそうです。
自覚症状がなくても、B型肝炎検査を受けることによって、より重い状態に進展することを防止できるので、検査を受けて頂きたいとの呼びかけがありました。
福岡県肝炎対策協議会には、患者団体の方が参加して、15名で構成されています。
インターフェロン、核酸アナログ製剤に対する医療費助成についてもご説明がありました。
参加者から、福岡に住民票があり、単身赴任して他県の医療機関を受診している場合の治療費助成の申請方法などについて質問が出されました。
1年ごとに更新を求められるのでは、患者の負担が重いので、更新期間をもっと長くしてほしいという要望も出されました。
最後に、弁護団からB型肝炎訴訟の現状について説明が行われました。
今里弁護士から、B型肝炎訴訟のあゆみについて説明が行われました。先行訴訟である北海道での訴訟や、最近御著書を出された与芝真彰先生の札幌高裁におけるご活躍も紹介されました。
石井弁護士から、基本合意における認定基準について説明が行われました。
國嶋弁護士から、B型肝炎ウイルス健診の呼びかけが行われました。
昭和生まれのすべての国民が受けた予防接種の回し打ちは、悪魔のロシアンルーレットであり、昭和生まれの誰もがB型肝炎キャリアである可能性があります。しかし、キャリアでは症状がないので、ほとんどの被害者は自分でキャリアだと言うことに気がつきません。いつ、肝硬変や肝ガンを発症するか分からない時限爆弾を抱えています。B型肝炎訴訟の原告にも、キャリアであることを全く知らないまま、ある日突然大きな肝臓ガンが見つかった方がいます。このような悲劇を繰り返さないためには、昭和生まれのすべての人が、検査を受ける必要があると訴えました。
参加者は約100名で、会場がいっぱいになりました。