B型肝炎訴訟原告団と鳩山首相との面談が実現

 2009年11月10日午後4時から、首相官邸において、薬害C型肝炎訴訟原告団、予防接種禍B型肝炎訴訟原告団、日本肝臓病患者団体協議会の3者と、鳩山首相との面談が行われました。
 出席者は、鳩山首相、松野内閣官房副長官、長妻厚生労働大臣、山井厚生労働政務官、家西議員、内山議員、梅村議員、柚木議員、福田衣里子議員(司会)でした。
冒頭で、鳩山首相は、「『民主党が政権をとったあかつきには、肝炎問題を解決する』という約束をしたことを覚えています。臨時国会で、肝炎対策基本法を成立させるよう全力を尽くします。今まで長い時間がかかったことを政府としてお詫びします。」と挨拶しました。
これに対し、薬害C型肝炎訴訟原告団の山口美智子代表は、「350万人の肝炎患者の代表として官邸に来ました。今年6月30日、鳩山代表にお会いしたときに、鳩山代表から『一人の命も粗末にしない。政権をとったあかつきには肝炎法案を成立させたい』との言葉を頂いたことを覚えています。肝炎基本法が成立した後には、法案に基づいた予算措置をお願いします。」と述べ、要望書を渡しました。
 報道機関の退席後、鳩山首相は、「私たちは、政治主導の政権を目指している。国の責任を認め、予算措置を執ることが大切。命を大切にする政権を標榜する以上、肝炎政策を最優先の課題とする。長妻大臣の後押しをしなければならない。」などと述べました。
長妻厚生労働大臣からも、「従前の厚生労働行政は、417リスト問題など、誠意に欠けた対応をしてきたこともあったが、今後はそのようなことがないようにしていきたい。B型肝炎C型肝炎の治療薬について、医療費の助成を実行していきたい。全力で薬害の再発防止、医療費助成に取り組んでいく。」との挨拶がありました。
山口代表以外の参加者からの意見が促され、日肝協の方から「肝炎対策基本法の成立、国の責任を認めること、患者救済は悲願である。お金だけでなくシステムを作っていって欲しい。」との意見が出されました。
また、B型肝炎訴訟全国原告団共同代表の谷口三枝子さんから、「私たちは、予防接種の回し打ちによるB型肝炎に苦しんでいます。原告の中には、肝硬変・肝ガンに進行している重篤な患者もたくさんいます。私は、子どもたち2人に、B型肝炎を母子感染させてしまいました。今子どもたちが発病して苦しんでいます。一刻も早く全国B型肝炎訴訟の立法・和解による解決をお願いします。」との意見が述べられ、鳩山首相も大きく頷いていました。
 最後に、鳩山首相から、「それぞれの立場の気持ちを大切にしたい。時間との勝負、お金ではなく仕組み造りをと求める気持ちも理解できる。肝炎対策基本法の成立は、人の命を大切にするという政権の試金石の問題ととらえる。各党の皆様も大変努力していただいている、政争の具とすることなく超党派での臨時国会での解決を目指したい。」との挨拶が行われました。
 面談終了後、鳩山首相は、参加者と握手され、何人ものB型肝炎訴訟原告とも握手されていました。
なお、自民党公明党から17時に、衆議院肝炎対策基本法案が提出され、その前文には、「B型肝炎及びC型肝炎にあっては、・・・集団予防接種の際の注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスの感染被害を出した予防接種禍事件が起き、・・・予防接種禍事件では、最終の司法判断において国の責任が確定している。」との文言が入っており、この法案が、薬害C型肝炎の解決だけでなく、2006年6月16日の予防接種禍B型肝炎訴訟最高裁判決をふまえたものであることが明記されています。
 全国B型肝炎訴訟原告団は、薬害C型肝炎原告団、日肝協とともに、この法案の成立に向けて運動を続けてきました。臨時国会で法案が成立すること、また、これをきっかけに、全国B型肝炎訴訟の早期解決が図られることを強く求めていきます。