2010年10月26日13:30から、札幌地方裁判所で、B型肝炎訴訟の和解期日が開かれました。
まず、原告側から、前回の国の賠償額の提案に対する反論の意見書について説明しました。(1)死亡被害者、肝ガン被害者など、命の被害者に対する償いには、区別が絶対に許されないことや、(2)肝炎被害者については、治療費代の実額にも満たない賠償額の提示では応じられないこと、(3)キャリアに対しても被害を切り捨ててはならないことなどを指摘しました。
次に、国から、財源論に関する推計の経過資料についての説明がなされました。
しかし、その中で、国は、自分の推計に都合の悪い文献を無視していることが明らかになりました。
自分で、昭和38年から58年までの出生者における母子感染率が8割であることを示す文献があるとまとめているのに、平然とこれを無視して、被害者の推計が多くでる文献だけを採用しています。
過大な財源を要するという推計は、国に都合のいい文献のつまみ食いにすぎません。
今日の和解協議で、裁判長は、無症候性キャリアに対して国から一時金が出されないことが和解を進めていく上での最大のネックであるとの見解を示した上で、国に無症候性キャリアに対する一時金についての再考を促しました。国は、検討すると言って持ち帰りました。そして、裁判長は、できれば、それについての回答を11/12までにその検討結果を持ってくるよう求めた。
全国原告団谷口代表の会見でのコメントは以下の通りです。
弁護団からの質問に対して、何一つ明確な説明ができなかった。しどろもどろだった。国の膨大な数がでたらめだった。裁判長もあきれた顔で見ていらっしゃいました。裁判長は、早期の解決に向けて積極的な発言がいくつもありました。
国は、私たちに対して、「国民の理解と協力を得られるように頭を下げなさい」と言っています。私たちは被害者なのに、踏んだり蹴ったりです。私たち被害者を厄介者のように扱っていたら、この悲劇はまた繰り返されるのではないでしょうか。肝硬変・肝ガン患者の肝臓は戻らないのです。早期全面解決が必要です。