B型肝炎北海道訴訟で、裁判所が国の求釈明の必要性を否定

 2009年7月7日15:00から、札幌地方裁判所において、B型肝炎北海道訴訟の進行協議期日が開かれました。
 裁判所は、「B型肝炎訴訟における争点及びその立証方法についての整理」と題する6ページのメモを配布し、訴訟の争点についての整理を行いました。
 裁判所からは、まず、原告らの被害に関する医学立証、予防接種歴、予防接種の連続使用に関する書証の提出の範囲等について言及されました。
 その後、ジェノタイプについて被告が原告らに対して求めている血液検査データの提出は不要であると断言されました。仮に原告らのジェノタイプの検査結果が提出されなかったとしても、原告らの請求を棄却することにはならない、とされました。
 また、父子感染を前提とし、被告が原告らに対して求めている父親の血液検査データも提出は不要であると断言されました。それが提出されなくても、原告らの請求を棄却することにはならない、とされました。
 原告らは、被告国に対し、全国で、平成18年の最高裁判決が求めていない証拠の提出を原告に求めるな、それは最高裁判決で解決済みの争点の蒸し返しだ、と批判しています。
 今回の北海道訴訟での、被告国の求釈明を必要性がないとした判断は、2009年4月における九州訴訟での暫定的所見に次ぐ全国で2番目のものですが、2009年6月に被告国から再度主張・立証が追加された後の所見としては全国初のものであり、十分な主張・立証をふまえた判断であることから重要な意味を持っています。
 今後、北海道弁護団は、原告本人尋問を申請し、年内の原告本人尋問の開始を求めていきます。
 この期日のやりとりで、北海道訴訟は一気に審理が進みました。九州訴訟との先陣争いになり、全国の被害者救済の早期実現のために大きく前進しました。