B型肝炎訴訟和解報告、除斥肝炎の解決に向けて

 2016年3月7日11時、B型肝炎九州訴訟の弁論・和解期日が開かれ、福岡地裁で65名の原告(被害者数50名)が和解しました。
原告1401番さんは、同い年のご主人の肝がんの被害について意見を述べました。
 49歳の時に肝ガンと診断されましたが、自営の仕事をがむしゃらに取り組んでいました。55歳の時に余命宣告を受け、仕事もできなくなりました。孫を抱き上げる体力もなくなりました。57歳の時には、苦しくて横になることもできなくなり、イスに座ったまま生活をするようになりました。急変で駆けつけた奥さんに「ゴメン」と声を振りしぼったあと、息を引き取りました。
 途中で声を詰まらせながらの意見陳述に、傍聴席からは、鼻をすする音が聞こえました。
 大阪弁護団代表の長野真一郎弁護士は、2015年3月になされた基本合意(その2)の前提となった、除斥期間を経過したと国から主張されていた大阪の肝ガン被害者の状況を踏まえ、肝炎でも、いったん治まった被害者に対して、再発時を除斥期間の起算点と捉えるよう、裁判所に訴えました。
 国は、肝炎除斥に関し、今月中に主張を提出すると述べました。
 和解の詳細は以下の通りです。
 
<被害者の内訳>
キャリア     50万円  10名
慢性肝炎   1250万円  22名
肝硬変(軽度)2500万円   5名
肝ガン    3600万円   8名
死亡     3600万円   5名

<原告の内訳>
居住県:福岡37名、佐賀8名、長崎7名、大分4名、宮崎4名、愛知県1名、東京都4名
20代から70代までの男女

<九州訴訟和解者数>
福岡地裁1644名へ(原告数。被害者数では1443名)。
九州2158名へ(原告数。被害者数では1894名)。
<現在>熊本地裁156(136)名、鹿児島地裁195(173)名、那覇地裁152(134)名、大分地裁11(8)名

<九州訴訟原告数>
福岡地裁における原告は、2071名(被害者数1840名)。
熊本  244(218)
鹿児島 262(231)
那覇  197(176)
大分   61( 47)
九州訴訟原告は、2835名(被害者数2512名)。

* B型肝炎訴訟相談窓口 092−883−3345
 平日9:00〜12:00,13:00〜17:00

* 今後の予定
5/23 11:00 福岡地裁口頭弁論、和解