B型肝炎訴訟、再発肝炎の救済を求めて

 本日、福岡地裁で66名の原告(被害者数61名)が和解しました。詳細は末尾の通りです。
 今回は、法廷で3名が意見陳述を行いました。
 匿名原告は、みずから子どもに2次感染させた苦しみ、自分が感染していることを打ち明けずに生活をしていることから生じる苦しみを切々と話され、傍聴していた女性原告からの強い共感が寄せられました。
 当職から、慢性肝炎の再発事例(原告30番さんの場合)について、除斥期間の起算点を再発時に修正するよう意見を述べました。平成19年に再発することは、初発の昭和62年の時点では低い確率でしかおこらないことであり、あらかじめ請求できません。にもかかわらず平成19年に再発したとたんに「もう除斥期間経過後だから請求できません」というのでは、治療費を含めた再発被害の請求をする機会が絶対に保障されないことになり、法や正義の根幹と矛盾すると述べました。
 全国弁護団代表の佐藤哲之弁護士(札幌)も、先行訴訟において、札幌高裁、最高裁の裁判官たちが除斥期間の適用範囲を狭め、可能な限りの被害救済に尽力してきたこと、基本合意においても、札幌地裁の裁判官は、除斥期間について、課題が残っており、解決が図られていくべきことを指摘したことなどを紹介し、慢性肝炎の再発について除斥期間の適用を限定し、可能な限り被害救済に尽力されるべきであると法廷で意見を述べました。
 慢性肝炎の再発事例において、除斥期間の起算点を再発時点とするよう求めて、戦っています。

<被害者の内訳>
キャリア     50万円  18名
慢性肝炎   1250万円  28名
肝硬変(軽度)2500万円   4名
肝ガン    3600万円   7名
死亡     3600万円   4名

<原告の内訳>
居住県:福岡38名、佐賀8名、長崎8名、熊本1名、大分3名、宮崎7名、山 口0名、神奈川1名
10代から70代までの男女

<九州訴訟和解者数>
福岡地裁1579名へ(原告数。被害者数では1393名へ)、九州2049名 へ(原告数。被害者数では1805名に)
<現在>熊本地裁148(128)名、鹿児島地裁175(153)名、那覇地 裁139(126)名、大分地裁8(5)名

<九州訴訟原告数>
福岡地裁2019名(被害者1790名)、熊本地裁233名(被害者207 名)、鹿児島地裁251名(被害者223名)、那覇地裁193名(被害 者 172名)、大分地裁55名(被害者41名)。
九州全体で 2751名(被害者2433名)。

* B型肝炎訴訟相談窓口 092−883−3345
 平日9:00〜12:00,13:00〜17:00

* 今後の予定
3/7 11:00 福岡地裁口頭弁論、和解