グーグル社の修正について

 グーグル社は、本日、ストリートビューサービスについて、いくつかの改善策をとったと公表しました。
 その内容は、1 ナンバープレートに自動処理でぼかしを入れる、2 カメラの高さを下げて撮影する、3 削除請求をインターネットだけでなく電話でできるようにする、4 表札をぼかしてほしい人からの依頼があれば、表札にぼかしを入れる、の4点です。
 これらの改善は、本来なされることが当然であるとともに、サービス開始から9ヶ月も放置されてきたこと、その間の説明が十分なされなかったことなどが指摘できます。
 より深刻な問題として、1 ラブホテルに入るカップルや路上でキスする学生など、相手が気付かないまま撮影した恥ずかしい画像を世界中に送信する行為を防止するための、人の目による事前チェックをしないこと、2 住宅街の様子を丸ごと世界中に送信するという、誰のために何の役に立つのかが具体的にイメージできず、かえって、侵入窃盗をアシストするのではないかという不安感とデメリットだけが容易に想定できる「サービス」を地域住民の同意もなく継続、拡大すること、3 事前にいつどこを撮影するのかも知らせず、気付きにくい形で町並みを丸ごと、人の顔も、世界中にさらされたくない家も無差別に、網羅的に大量に撮影されることなど、根本的な問題点は何ら変わっていません。
 今後も、新たな地域(たとえば、福岡、名古屋、沖縄など)について、順次住宅街がさらされていくでしょう。
 その度に、地域住民に不快感や不安感を与えることが懸念されます。
 日弁連が昨年11月21日に実施した緊急集会では、参加された技術者の方々は、皆さんこのようなサービスに疑問を呈されていました。法的にどうかという以前に、技術者としてやってはならない倫理の一線を踏み越えた行為ととらえている方が多いようです。むしろ、法律家はなぜもっと早く警告をならさないのか、と叱咤されました。
 もちろん、法的に見ても、撮影行為、公表行為とも、とられたくない人、公表されたくない人の利益(プライバシー権、肖像権など)との比較考量(デメリットよりもメリットの方が大きいということを比較すること)がない点に大きな問題があります。
 法律家団体が、早急に意見を公表することが求められていると思います。