菅直人首相への面談要請

  2010年6月9日13:00に、谷口三枝子全国原告団代表は、内閣府において、新たに就任した菅直人首相に対し、面談を求める要請書を提出しました。
 新首相の早期解決へのリーダーシップを求める内容です。
 また、これに先立ち、長妻厚生労働大臣に対し、全面解決に向けた和解案を提示することを求める要請書を提出しました。
 次回の札幌地方裁判所での進行協議期日(6月21日)で、国の主張の一部だけではなく、和解案の全体像を示すよう求めたものです。
新政権が、参議院選挙目当てで政策実現を放置するのか、変化の姿勢を示すことができるのか、が問われます。
面談を求める要請書

内閣総理大臣 菅  直 人 様
                  2010(平成22)年6月9日
全国B型肝炎訴訟原告団
  代  表   谷  口  三枝子
全国B型肝炎訴訟弁護団・全国連絡会
  代  表  弁護士 佐 藤 哲 之

 要請の趣旨

 B型肝炎訴訟の全面解決のために、菅新総理大臣には、私たち原告団弁護団との面談に是非とも応じていただきたく要請いたします。

 要請の理由

 私たちは、集団予防接種での注射器の使い回しによってB型肝炎ウイルスに感染した被害者が、国を訴えている全国B型肝炎訴訟の原告団弁護団です。
 私たちは鳩山内閣の当時にも財務大臣であった菅大臣に対して、この問題の関係6閣僚のおひとりとして面談を要請してきました。しかし、残念ながら、菅財務大臣(当時)からは「面談の時間が取れない」あるいは「政府で対応を検討中であり面談できない」という理由で、面談を断られてきました。
 菅総理大臣もすでに十分ご承知と思いますが、このB型肝炎問題については、平成18年の最高裁判決で国の責任が明確に認定されています。それであるのに、国が感染被害者に対する救済策を取らないことから、やむを得ず、B型肝炎患者・感染者が新たに裁判を起したものです。
 現在、全国10地裁で452人の原告が裁判をたたかっています。
 本年3月、札幌地方裁判所及び福岡地方裁判所が、和解勧告を行い、5月に、国は両地方裁判所で和解協議入りする態度を表明しました。
 しかし、国は、具体的な解決策を示さず、ひとつの論点の検討にさらに2カ月の時間が必要であるとしました。平成18年最高裁判決がなされてすでに4年、本訴訟が提起されて2年が経過し、さらに、和解勧告から2カ月の期間があったにもかかわらず、何らの解決策も提示しない今回の国の対応は、まったく不誠実と言わざるを得ません。
 本訴訟提起後すでに10名の原告が亡くなり、和解勧告後でも2名が亡くなっています。解決が延びればそれだけ原告・被害者の命は削られていくのです。
 菅総理大臣は、1996年、薬害エイズ問題について、厚生大臣として、抵抗する官僚を押し切って解決に尽力されました。私たちは、総理大臣のこのような行動力に大変期待をしております。
 私たちは、菅総理大臣にお会いし、私たちの切実な状況を聞いていただくとともに、新総理大臣のイニシアチブで解決に向けた協議の場を設定していただきたいと考えています。
 菅総理大臣には、是非とも、私たちとの面談に応じられるよう強く要請する次第です。