B型肝炎訴訟全国いっせい提訴

 2010年3月24日、B型肝炎訴訟の全国いっせい提訴が行われました。
 九州訴訟では、11名の追加提訴を行いました。いずれも詳細は下記の通りです。
 九州訴訟では、2人の原告が実名を公表しました。
 36歳の冨田圭一さん(福岡市在住)は、高校3年生の時に行った献血の際に、B型肝炎ウイルスに感染していることを知りました。
 通知がくる3日前に、テレビドラマでB型肝炎のことを取り上げていました。そのドラマでは、B型肝炎患者を助けようとした医師が、患者の血を浴びて劇症肝炎になり、生死をさまようという内容でした。自分が感染していると聞いて、死ぬのかなと思いました。
 自覚症状は出ていませんが、今年の2月には、検査の結果、慢性肝炎を発症していると言われました。
 冨田さんは、今年、ホームページを見て、家族で自分だけが感染していることから、自分の感染原因が予防接種の回し打ちにあることを知りました。
 「国の責任として、私の血をきれいにしてほしい。」と訴えました。
 51歳の井上和夫さん(田川市在住)は、30歳の時に受けた胆石の手術の際に、B型肝炎に感染していることを伝えられました。そして、40歳の時に、肝炎を発症して3ヶ月入院しました。だるい上、手が人に見せられないほど黄色くなる黄疸が出ます。それ以後、毎年入退院を繰り返しています。
 井上さんは、昨年夏にテレビ報道を見て、自分の感染原因が予防接種の回し打ちにあることを知りました。
 井上さんは、「国は、健康な体に戻してほしい。きちんと直る薬を開発して直してほしい。」と訴えました。
第1 九州訴訟第9次提訴の概要
 1 原告、被害者
 原告は11名(男性5名、女性6名)。
 被害者も同じ。うち3名は、2次感染の子ども。
 2 原告(被害者)年齢
 10代1名、20代2名、30代1名、40代1名、50代6名
 3 原告居住地 福岡県7名、長崎県1名、山口県1名、沖縄県1名、他1名
 4 肝炎のステージと請求額
   合計 4億1250万円
     無症候性キャリア 1650万円  1名
     慢性肝炎     3300万円  7名
     肝硬変・肝ガン  5500万円  3名
 5 全体の原告数
今日、福岡で11名の原告が提訴したため、福岡地裁における九州訴訟の原告は合計133名に(被害者数124名)。
* 九州訴訟の現状(2010.3.24提訴後時点)
請求金額合計:47億5200万円
被害者のステージ:無症候性キャリア 14名、慢性肝炎 73名、肝硬変・肝ガン 27名、死亡 10名(遺族19名)
原告居住地:福岡92名、佐賀9名、大分4名、熊本3名、長崎5名、鹿児島6名、宮崎1名、山口6名、沖縄1名、その他6名
第2 2010.3.24 全国いっせい提訴状況
 1 今回の提訴前
 全国10地裁、原告数383名(被害者数373名)
札幌57名、東京47名(被害者46名)、新潟10名、金沢4名、静岡14名、大阪64名、広島51名、鳥取8名、松江6名、福岡122名(被害者113名)
 2 今回の提訴後
 今回の全国提訴は、以下の通り。
 札幌5名、東京2名、新潟6名、金沢3名、大阪3名、広島6名、福岡11名の7地裁36名が提訴。
 今回の提訴により、全国の原告総数は、10地裁で419(被害者数409名)になった。
 無症候性キャリア 67+9 慢性肝炎 227+19 肝硬変・肝ガン64+8 死亡 15 (被害者数409)
第3 今後の予定
1 3月26日 14:00 九州訴訟進行協議期日
2 3月28日 13:00 全国弁護団会議@東京
3 4月6,7日 東京行動
4 4月20,21日 東京行動(4/21 13:30東京訴訟進行協議)
5 5月7日 14:00 東京訴訟口頭弁論
6 5月14日10:00 北海道訴訟口頭弁論、進行協議
7 5月17日14:00 九州訴訟進行協議期日