B型肝炎九州訴訟第8回期日

 本日15:00から、福岡地方裁判所で、B型肝炎九州訴訟第8回期日が開かれました。
 匿名原告の111番さんは、35歳の時に、突然背中の当たりに変な汗をかくようになり、とてもだるくなりました。病院へ行くと、肝機能数値が2000で、「このままだったら死ぬよ。」と医師から言われ、緊急入院しました。
 その後も落ち着いたり、肝炎がまたぶり返したりという生活になり、医師からは入院を勧められることもありますが、自営業のため、なかなか入院することもできません。ゼフィックスを初めとする抗ウイルス薬のほとんどに耐性ができてしまい、いまは最後の砦であるバラクルードに頼っています。この薬が効かなくなると、もう後がないので、将来が不安です。「私たちが被害の声が上げられるうちに、国は一刻も早く解決して下さい。」と訴えました。
 池永修弁護士は、被告国が、原告らのカルテの文書提出命令を申し立てていることの不当性を訴えました。個別の被害と関連性のない、証拠あさりとしか言いようのない不当な申立が、訴訟の引き延ばし以外の何ものでもないことを厳しく指摘しました。
 小宮和彦弁護団長は、昨年11月に成立した肝炎対策基本法に、集団予防接種における注射器の連続使用によるB型肝炎被害について、国に責任のあることが明記されたことは、司法府と立法府が、予防接種禍によるB型肝炎被害を共通して指摘していることになり、行政府としての厚生労働省は、直ちに本件の解決を図るべきであると指摘しました。にもかかわらず、国がいつまでたっても最高裁判決で決着済みの因果関係論を蒸し返し訴訟遅延を図るのは、責任を果たすべき患者が亡くなって少なくなるのを待っているのに等しく、断じて許されるものではないと述べました。その上で、裁判所による和解解決を求めました。
寒い時期の上、いつも何十人も来てもらえる学生さんたちが、学部試験のため出席が少なかったのですが、たくさんの支援の方々に傍聴頂き、傍聴席が満員になりました。どうもありがとうございました。
 スモンの会の草場さんは、報告集会の席で、国によるカルテの文書提出命令は、「40年前のスモン訴訟の時の亡霊を見るようです。裁判がずるずると何年も引き延ばされるから、絶対に許してはいけません。」とご経験を伝えて下さり、原告弁護団とも身の引き締まる思いでした。
 次回は3月9日13:30に、福岡地方裁判所301号法廷で期日が開かれます。原告の意見陳述も行われます。
 今年中の解決のために、たくさんの方々の傍聴支援をよろしくお願いいたします(門前集会を12:30に予定します)。