B型肝炎九州訴訟第3回期日のご報告

2009年2月18日15:00から、福岡地方裁判所501号法廷で、B型肝炎九州訴訟の第3回期日が開かれました。
 多数の傍聴支援、どうもありがとうございました。
 北海道弁護団の中島弁護士と、広島弁護団の端野弁護士にも遠くから応援に駆けつけて頂きました。
 第3次提訴と第4次提訴分の訴状・答弁書の陳述と、前回弁護団が行った主張に対する国の反論に関する書面(父子感染・ジェノタイプに関する求釈明と、除斥期間、予防接種を受けた事実)の陳述が行われました。
 その後、原告2名と弁護団1名の意見陳述が行われました。
 原告の荒金さんは、娘さんが就職した2年後に突然B型肝炎を発症し、入院と闘病のため、家族と離ればなれの生活を余儀なくされてきました。食欲が無くなり、食べたものは吐いてしまい、尿はコーヒー色になり、体全体に黄疸が出ました。横になっていても体の置き場がない、きつくて一睡もできない日々が続きました。肝不全で、肝臓移植をしないと助からないという告知まで受けました。かろうじて一命は取り留めましたが、今も耐性ができやすいとされる抗ウイルス薬が効かなくなったときの不安は消えません。母子感染した娘さんも肝炎と闘病しており、家族は、肝炎が進行する不安と闘病生活に苦しんでいます。
 原告の合原さんは、地域で一目置かれている地方の大きな農家の長男と結婚されました。長男が生まれ、「跡継ぎをよう産んでくれた」と家族から大切にされていました。ところが、次男を妊娠したときに、その前から告知されていたB型肝炎が、死に至る病だと医師から告げられました。それに伝えると、生活は一変し、義父からは、「変な病気を持って。何で嫁いできた。うちの血筋を汚すな。」と非難されました。親族会議で、義弟が家を継ぐことになり、家を出ることになりました。しかし、合原さんが肝炎を発病し、家事もままならず動けず横になる日々が続くと、夫の理解も得られず、離婚することになりました。家族や夫を恨んだ日もありましたが、みんな国の予防接種の被害者だと思うようになり、被害を一人でも多くの方に知っていただけるよう、実名公表をされました。
 原告の、声を詰まらせながらの訴えに、法廷は一つになりました。
 また、市橋弁護士は、国が、加害行為から20年経過したら償う必要が無くなっているという除斥期間の主張を行っていることが正義に反し許されないと訴えました。被害者である国民は、危険な注射器の回しうちによってB型肝炎に感染し、それが国のせいだと言うことも知らされなかったため、訴訟を起こすこと自体不可能だったのに対し、危険性を十分知っていた国が、権利関係の早期確定という名の患者切り捨てを求めてよいはずがないこと、法務省が、生命侵害などのケースでは除斥期間について20年以上に引き上げる方針を固めていることにも反することなどを明らかにしました。
 次回期日までに、国が原告第4準備書面の残りの部分(S抗原陰性化、因果関係総論)に反論することが決まりました。
 また、次回までに原告から立証計画を提出するとともに、次次回以降は原告本人尋問が実施できるよう、複数の期日が予定されました。
 次回4月15日の期日も、法廷をいっぱいにしたいと思いますので、14:00から、福岡地方裁判所正門前に御集合下さい。ご支援のほど、よろしくお願いいたします。