大崎事件現地調査

6月3日、4日の両日にわたって、鹿児島県大崎町で、大崎事件(詳細については、ホームページの大崎事件の報告をご覧下さい。)の現地調査を行いました。
まず、被害者が倒れていた道路の側溝で、被害者が直前まで使用していた、自転車での側溝への転落実験を行いました。
当初の予想よりも、自転車は急激に前部が倒れ、ほぼ垂直に側溝に倒れました。また、その勢いもかなり激しいものでした。確定判決の根拠とされた鑑定書の死因部分の解析が、後に絞殺によるものではなく、事故死であった可能性があると訂正されましたが、そのような衝撃を十分に起こしうるものという印象を受けました。
マネキンも使ってみましたが、これは、体がまっすぐで動かないものだったので、あまり参考になるものではなく、もっと人間に近いマネキンを使用して実験をする必要があるものと思われました。
また、「共犯者」の自白による被害者の搬送行為や、実行行為を再現してみると、実際には暴力をふるうスペースが足りなかったり、転落による過進展、過屈曲等で意識が低下し、重いはずの被害者を何度も不必要に動かしていたり、実行行為の態様の不自然な部分が次々と現れてきました。
今後、さらに再現実験を緻密に行うとともに、適切に記録化するという課題がはっきりしてきました。