安永健太さんの死亡事件を考える会のシンポジウム

 午後0:45から、佐賀市内のアバンセホールで、「全国フォーラム 地域の中で障がいがある人の権利と命を守る〜安永健太さんの死亡事件を通して考える〜」が開催されました。
 2007年9月25日に、警察官の職務質問を受けた安永さんは、警察官から制圧され、亡くなりました。その間に何が起こったのかについて、警察の説明は2転3転していますが、目撃者によると、警察官は、安永さんに暴力をふるっています。安永さんの知的障害に気づかなかった警察官が、必要のない職務質問のために、必要もなく過大な制圧をし、暴力までふるって、その命を奪った事件と考えられます。
 最初に、健太さんの弟さんから、警察への怒りと真相究明への思いが語られました。
 国会議員も、自民党民主党から参加があり、民主党原口一博議員は、8月8日に行われた現地調査を踏まえ、「現場は自動車の通りが激しく、車道で自転車が蛇行運転できたとは考えがたい。警察の説明は不合理で、不都合な事実を隠蔽している疑いが強い。早急に国会で真相究明すべきだ。自民党も、速やかにこれを進めるよう指示を行うべきだ。」などと訴えました。
 弁護団の河西龍太郎弁護士から、付審判請求の意義と、署名が7万5000通も集まっていること、裁判所も慎重に検討していることなどが報告されました。
 シンポジウムでは、日本障害者協議会常務理事の藤井克徳氏から、障がい者の尊厳と安心の実質化に向けて必要な条件と、この事件の真相究明の重要な意義についての話されました。毎日新聞社野沢和弘氏からは、知的障害者が犯罪被害にあっている事実や、関わり合う警察官の障がいに対する理解が希薄であること、2万6000部のパンフレットが配布された経過などが話されました。また、私から、「不審者捜し」のまちづくりと障がい者の人権として、すすみゆく監視社会化と、その中で自由な行動を自制、自粛せざるをえなくなっている障がい者の現状と、市民が感情ではなく理性に基づく行動をとるための条件として、まず障がい者と接点をもち、知ることが必要であり、レストラン「ゆずのき」のような場所が増え、国や自治体がこれを積極的に支援していくことが必要だと述べました。
 延べ約300人の参加者が来られた会場からも、活発な意見や質問が出されました。
 今回の現地調査とフォーラムは、この事件を社会や国会などに訴える場として、大きな成果が得られたと思います。