「防犯カメラ 効果裏表」西日本新聞

 今日の西日本新聞朝刊で、「防犯カメラ 効果裏表」と題する記事がありました。
 2012年6月に大野城市がJR大野城駅西口駐輪場に4台カメラを設置し、自転車とオートバイの窃盗が、年間40件程度発生していたものが、被害届が出なくなったとされています。他方、数十メートル離れた駐輪場では、年間6件だったものが10件に増えているそうです。
 周辺のほかの駐輪場なども調べれば、結局、減った分と同じくらいの犯罪が周辺で起こっていると思われます。
 警察庁がJR川崎駅東口に設置した防犯カメラでも、周辺地域への犯罪の地理的転移がみられ、設置場所の犯罪が減ったとしても、周辺地区の犯罪も「おかげで一緒に減る」ことにならなかったため、この点をとらえて、警察庁も防犯効果があったとはしていません。
 大野城市のカメラも、対象地区の犯罪現象だけを切り取れば、防犯効果は絶大という違った結論を導き出すこともできます。ただ、現在の科学的な見解は、周辺地区や対象地区の犯罪の増減との比較をすべきだというものになっています。
 このような冷静な事実が報道され、良い面ばかりとは言えないカメラの光と影について、普通の人が考える機会が増えればよいなあ、と思います。