美祢社会復帰促進センター視察
14時から、自由法曹団という弁護士団体の視察で、美祢社会復帰促進センターを視察しました。
美祢社会復帰促進センターとは、2007年4月、山口県美祢市に、開設された日本で初めてのPFI方式の刑務所です。
簡単に言えば、地域雇用の促進、地域経済の活性化、地域医療の充実などを目指して、民間委託を導入して運営される刑務所です。
ただし、民間企業が担当するのは、施設の設計・建設・維持管理、総務事務支援、施設の警備、収容監視、職業訓練、教育、領置物の保管、健康診断、食事の提供、洗濯、清掃、刑務作業企画支援などで、懲罰、連行などの公権力の行使については、刑務官が担当することになっています。
ここでは、受刑者の識別を指静脈認証により行い、受刑者の位置はICタグにより把握し、区域毎に入出時のセキュリティシステムを設け、中央監視室から電気錠の遠隔操作を行うなどの監視システムを設けています。
現在は、まだ定員の3分の1ほどしか入所しておらず、3階ある収容施設のうちの1階(ワン・フロア)しか入所していないと言うことでした。
昼の間は房に鍵をかけず、ICタグや監視カメラによって、受刑者の自由に対する制限を緩和しながら運営することとされていますが、電子管理については、水平の識別はできても垂直の識別が困難ではないかという指摘もあります。例えば、自動車のGPSナビゲーターは、水平の位置把握は正確にできますが、都市高速に乗っているのか、下の一般道を走っているかは把握できず、下の道を走っているのに、都市高速出口を案内することがあります。1階から3階まで収容者が埋まった場合に、動いている受刑者が1階のものか3階のものかを識別できるのだろうか、ということですが、現状では、重複した収容者がいないため、分かりませんでした。今後の動きが気になります。